第7回 シルクロード・バーミヤン・ハンディクラフト
〜アジアの手仕事の魅力/クラフトエイドのフェアトレード〜

ジャーナリストとして1990年代からアフガニスタンを取材してきた安井浩美さん。アフガニスタンの貧困を解消するには家庭の生活向上が必要だと感じ、アフガニスタン女性の生活を支援するため、伝統工芸である民芸品を製造、販売する「シルクロード・バーミヤン・ハンディクラフト」を立ち上げました。アフガニスタン女性に伝わる伝統の刺繍で作ったアクセサリーやぬいぐるみは、クラフトエイドで販売しています。今回はそんな安井浩美さんからのメッセージをお伝えします。

もともと民芸品には興味があったのですが、2006年にアフガニスタン人の夫がホテルを開業するのを機に製作を始めました。アフガニスタンの女性は伝統的に家庭で刺繍を習います。その技術でホテルの備品を作ろうと思い、プロジェクトを立ち上げました。制作が終わり、プロジェクトを閉じようと思ったのですが、どうやら女性たちは経済的に困っていることが見て取れました。短い間でも収入が得られたことで、生活が少しは良くなっていたのです。そこで今度はホテルで販売する土産物の制作を始めたのが、今は会社となっています。

戦争が長かったアフガニスタンでは何でも無料でもらえるのが当たり前、支援してもらうのが当たり前、という考え方があります。私の工房に来る女性たちにも「うまく刺繍ができなくても、可哀そうな人だから許される」という感覚が当たり前にありました。しかし、私はそんな彼女たちに、自立して仕事に取り組む姿勢を教えてきたつもりです。働く理由や社会の仕組みをしっかり理解して働いてくれるように促してきました。アフガニスタンでは、家庭内に問題を抱えている女性がほとんどです。姑とうまくいかないとか、夫が無職だとか、それで子どもに食べさせることができないとか。この部分も含めて面倒を見ながら、将来自立できるような支援を心掛けています。

シャンティとは記者時代の取材がきっかけで、クラフト制作を始めてからは、私の工房の大切な顧客として注文をいただいています。ここ数年、クラフトエイドもプロフェッショナルな仕事になってきて将来がとても楽しみです。今後は販売経路を拡張して、クラフトをたくさん売っていってほしいです。私の工房もシャンティやクラフトエイドと一緒に成長していけたらいいなと思っています。生産者の女性たちも大変感謝するとともに喜んでおり、ライオンやラクダの刺繍をするカマルグルという女性から「お仕事お待ちしております」と伝言を預かってきました。

皆さんに伝えたいのはまず、「感謝」ですね。皆さんのご支援、ご購入がなければ私たちも成り立っていきません。本当にいつもありがとうございますと、この場を借りてお礼を言わせてください。 まだまだ平和と呼べる状態にはほど遠いアフガニスタンですが、皆さんのご支援は、私の工房で働く女性たちの家族に確実にプラスとなっています。一週間に一度、お肉が食べられるようになるとか、子どもに冬用のジャンバーを買ってあげられるとか、学校で勉強するためのノートや教科書が購入できるとか。ほんの些細なことであってもアフガニスタンに暮らす人々にはなくてはならないものなのです。誰かに支援してもらったお金ではなく、自分で働いて稼いだお金で家庭を潤すことができる喜びと感謝の気持ちを皆さんにお伝えしたいです。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。私たちも今まで以上に素敵な商品を製作していきたいと思います。「タシャコール!(ペルシャ語で「ありがとう」や「感謝」の意味)」。

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Photo by Hiromi Yasui

安井 浩美
1963年、大阪で生まれる。京都の聖母女学院短期大学を卒業後、アパレル会社勤務。約1年間のシルクロードの旅を経て写真の道へ。1993年、フリーのフォトグラファーとしてアフガニスタンを取材し、戦争取材とともにアフガン遊牧民の記録をライフワークとする。2001年の米同時多発テロをきっかけにアフガン入り。現在、共同通信社のカブール支局で通信員として働くかたわら、アフガン難民の子供たちの教育に関わる。教育制度がある程度整ったのをきっかけに、女性の生活支援のためのハンディクラフトの会社を立ち上げ、現在に至る。