東日本被災地支援×CRAFT AID

2020年12月から2021年1月に支援団体の連絡組織「東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN、東京)」によって行われた調査によると、2021年4月以降、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災者を支援してきた全国のNPOなど民間団体の4割近くが、活動を終了か縮小する方針であると答えました。(共同通信)

25都道府県に拠点を置く68団体の各団体の活動は、
■「コミュニティ形成・再生支援」と「被災者の心のケア」46%
■「原発事故の県外被災者支援」37%
■「生活再建・見守り活動」34%

理由としては、以下が挙げられています。
■ある程度役割りを果たした
■世間の関心が新しい災害に向かっている
■一緒に支援活動をしてきた企業が縮小した

しかし、今後も活動が必要と考える団体は9割を超えていますが、多くは国や自治体の支援縮小など資金面の不安を挙げています。

クラフトエイドでは東日本被災地支援として、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、精力的に活動を行う3つの団体の商品を販売することを決めました。震災発生から11年経った今、東日本被災地に残る多くの課題を知ってもらうとともに、パートナー団体の活動の手助けになると信じています。

より良い世界の実現のため、日本国内の社会問題に取り組むパートナー団体を応援しています。小さな歩みではありますが、この支援の輪が広がっていくことを願っています。

コミュニティースペースうみねこ

震災後、子どもを持つお母さんたちの見守り活動から始まった「コミュニティスペースうみねこ」。

“必要な時に必要な事を”

―お母さんたちの笑顔を作る
―お父さんたちの笑顔を作る
―ボランティアの笑顔を作る
―地元の雇用を作る

その後、居場所作りの活動へと。
現在では、障がいを持った方、高齢者、若者と、たくさんの仲間が活動に関わっています。

  • 【取扱い商品】
  • ゆめ玉ストラップ
  • コースター
  • 潮風とうがらし一味
  • いちじく茶葉

団体の活動、商品を詳しく見る>>>>>こちらへ

ピースジャム

東日本大震災をきっかけに、赤ちゃんとママを支援する団体「ピースジャム」

「子育てをしながら働ける基盤」づくりと「産みやすく育てやすい環境」が社会へ波及することを目指して

子育支援、地域交流、災害支援、雇用支援を行う「ピースジャム」
育児を支え合いながらベビー用品の製造販売をし、その収益によって地域へ広場の開放や新たな親子の雇用へつなげています。

  • 【取扱い商品】
  • ベビーモスリン大

団体の活動、商品を詳しく見る>>>>>こちらへ

にじいろクレヨン

宮城県石巻市で子どもたちや乳幼児親子、地域住民、多世代が気軽に集える居場所作り活動を行っている「にじいろクレヨン」

継続した地域コミュニティ作り活動を目指して

-子ども・保護者・大人にとっての地域の居場所づくり
-子どもが地域に見守られていると感じる日常づくり
-子どもを見守るコミュニティネットワークの構築

石巻市に新しい産業を

石巻市に新たな産業を育てたいという想いで作られた一つひとつ手仕事の陶器。活動運営の貴重な資金になるとともに、石巻市の活性化に取り組んでいます。

  • 【取扱い商品】
  • 石巻金華焼(陶器)

団体の活動、商品を詳しく見る>>>>>こちらへ

シャンティ国際ボランティア会の東日本大震災での活動

 2011年3月11日。
 東日本全体が大きな揺れを感じ、首都圏ですら大パニックとなりました。当時、東京事務所で勤務していた時、ぐるぐる回るような揺れを今でも覚えています。
 当会シャンティ設立後、最大規模の国内災害でもあり、初めての津波被害と向き合う日々でした。津波は地震と違ってすべてを根こそぎ、奪っていきます。それに加えて、福島第一原子力発電所の爆発により放射線の恐怖にも翻弄されました。被災地が広範囲に点在し、緊急人道支援のための活動拠点づくり、ボランティア確保が大きな課題でもありました。

 当時、東京事務所の執行部の一員であった私は、仲間と共に、3月16日に東京を出発。ガソリンの販売が制限される中、北上。あまりにも広い被災地の範囲に、どこから活動を始めたら良いのか戸惑いましたが、交通の便を考えると首都圏から比較的アクセスが良い仙台くらいまでは外部からの支援が入ることは予想されたので、我々はさらに北へ行き、岩手県と宮城県の県境である気仙沼市を最初の事業地として活動を開始。その後、岩手県へ活動エリアをひろげ、翌年には、放射線被害に翻弄される南相馬市での活動を開始しました。

 気仙沼では、「つながる人の和」という目標を掲げて、地域の人との協働の活動を展開し、まちづくり支援、生業(漁業)支援、子ども支援を行いました。また、岩手県の山田町、大槌町、大船渡町、陸前高田市と宮城県の山元町、福島県南相馬市では、仮設住宅における移動図書館活動を実施。仮設住宅への避難生活を余儀なくされた皆さんへ、本と共にホッとくつろげる場を提供しました。そして、2016年から、避難指示が解除された南相馬市小高区において、帰還された方が安心して過ごせる場づくりを目指しました。2018年末には、現地事務所を閉鎖して、現地における活動を終了させました。

東日本大震災を通して

 さて、改めて、緊急人道支援に関わる中で感じたのは、「災害は地域で起こる」ことです。大きな災害ほど、当会のようなボランティア団体、被災地外からの自治体職員の応援など、外部からの支援が入り、連携しながら、緊急救援から復興支援活動に関わります。しかし、外部の団体・人は基本的には、いつかは撤退していきます。その中で、大切なのは、地域の皆さんで協力しながら、「よりよい復興(build back better)」を目指すことです。この言葉は、2015年3月、仙台で開催された第3回国連防災世界会議において、東日本大震災の経験と教訓が取り入れられた「仙台防災枠組2015-30」が採択された際、そこで示された新しい考え方を象徴した言葉です。

 今回、当会として、新たなクラフトの取り組みを上記の3団体と開始しました。どの団体も、震災後に地域の皆さんが協力して生まれたものです。この動きを外部から関わらせていただき、地域における「よりよい復興」のお手伝いになれば幸いです。

市川 斉


市川 斉
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 地球市民事業課長
1990年シャンティ国際ボランティア会に入職。1995年阪神・淡路大震災における緊急救援・復興支援、2001年米国同時多発テロ事件後のアフガニスタンで緊急救援活動や教育支援活動に携わる。2005年より海外事業課長、事務局次長、常務理事に従事。2019年7月より2年間、ミャンマー事務所長、2021年より現職。(写真:左から3番目)


市川 斉
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 地球市民事業課長
1990年シャンティ国際ボランティア会に入職。1995年阪神・淡路大震災における緊急救援・復興支援、2001年米国同時多発テロ事件後のアフガニスタンで緊急救援活動や教育支援活動に携わる。2005年より海外事業課長、事務局次長、常務理事に従事。2019年7月より2年間、ミャンマー事務所長、2021年より現職。(写真:左から3番目)