リス族について

山岳民族の中でも美意識が高く、美人コンテストも行うリス族!色彩感覚は抜群で、日常生活に根付く民族衣装の色合いも、とてもカラフルです。藍染の黒に始まり、青や緑、最近ではピンクやオレンジ、金銀ラメ入り、中には花柄のものも……とどんどん華やかさが増しています。「自分のところが一番だ」リス族の人と話しているとよく耳にする言葉です。リス族の「リス」とは「高貴な人」という意味。プライドが高く、競争心が強いというのも特徴です。『ミドゥ(名声)』と批判との微妙なバランスで成り立つ社会で、外からきたお役人やNGO関係者が、関係を作るのにもっとも苦労する民族だとか。群を抜いたリス族の衣装の華やかさの背景には、「一番」にこだわる彼らのプライドがあるのです。

リス族のポンポン

リス族の女性の衣装はとにかく華やかでカラフル。腰からぶら下げるポンポンは、200-300個にもなります。衿や袖には、虹のようにカラフルな、細い細い重ね縫い。帽子からもジャラジャラとカラフルなビーズや紐を下げています。ポンポンは、日本でみるまん丸の形ではなく、楕円のような独特な形。派手好みのリス族では、このポンポンの数が100個以下だとナマケモノ扱いされてしまいます。競い合ってポンポンをつけるうち、500個ものポンポンをつけるようになった時期もあるとか。ちなみに、この楕円形のポンポンは「鶏の腸」と呼ばれ、それをまとめて腰から下げる束は、「馬のしっぽ」と呼ばれています。

彼女たちは、身に付ける紐にもとてもこだわっています。紐の布そのものがカラフルなだけでなく、ステッチの色にも気を抜きません。赤い布には黄緑の糸、黄色の布には青い糸という具合。1本ずつ縫っていく作業を想像すると、気が遠くなりそうです。女性が着るチュニックは、かつては藍染の青や紺色が主流でしたが、徐々に青系、緑系がメインになって、今ではピンク色、オレンジ色や、水玉模様もサテン生地も取り入れるなどより華やかに。ただ、何でもありのようでいて、袖の部分だけは赤、襟の周りは黒、ズボンも黒、といった昔からの決まりは守られているようです。チュニックの衿と袖、肩のヨークには、細い布を一色ずつ重ねて縫い付けた飾りがついています。ベルトにも使われるこの重ね縫いはリス族の大事な伝統技術。お土産ものにもよく見かけるものです。お祭りの盛装の時には、ベルベット素材のベストに、銀の飾りをびっしりと縫い付けたもの、銀の首飾り、両耳をチェーンで結ぶピアスネックレス(?)、銀の腕輪…などなど。とにかく若い女性をよりきれいに見せる、ゴージャスな装いをしています。

リス族の人びとの名前について

リスの村には、同じ名前の人がいっぱい?!リス族の子どもの名前は、その一家で何番目に生まれたかによって決まります。長男はアベパ/アタパ、次男はアレパ、三男はアサパ、四男はアスパ…。長女はアミマ、次女はアレマ、三女はアサマ、四女はアスマ、という具合です(私が知る限り、10番目までありました!)。これは俗称、日常の呼び名です。正式な名前は生まれた時に、決まりに従って付けられるものがあり、オフィシャルには、こちらが使われます。どこの家族にも長男、長女がいて、村はアベパ、アミマだらけ……となりますから、最近は区別できるように、タイ人式の呼び名を付けることも多いとか。ちなみにタイの人もみな、正式な名前と日常の呼び名(『メイ』『ノック』など短い音のもの)との2つを持っています。

リス族にとって、神様や祖霊などの「宗教」と、自分がどの姓のグループなのかという「出自」はとても重要です。各家庭での儀礼や儀式もたくさんあって、重要なものはほぼ参加が義務となっているようです。日本人が、お盆やお正月に帰省するという感覚よりも、ずっと厳しいイメージ。宗教と家族とが強く結びついているため、他の山岳民族のようにキリスト教に改宗する人も多くありません。

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