ミェン族について

ルイクワンと呼ばれるモコモコの襟が印象的なミェン族。モン族と同じ中国の「三苗(サンミャオ)」を祖先としていますが、『抵抗』し独自の文化を貫いたモン族に対し、漢語を受け入れ漢民族との商いを通じて『共生』の道を歩んできたのがミェン族です。ミェン族には「ヤオの十二姓」と呼ばれる漢字の姓があり、名前も漢字名を持っています。家の決まり、祖先のお墓の位置を示した「祖図」、経典、儀礼の文書なども漢字が用いられています。漢字は、ミェン族にとって自分たちの文化を伝える大切なツールとなっています。学校が普及していなかった時代には、学齢期の男の子を持つ親がお金を出し合って漢人を教師に雇い、子どもたちに漢字を覚えさせていました。近年はタイ語等にとってかわり、ミェン族の文化儀礼も危機を迎えています。

細かな刺繍で埋め尽くされたズボンとモコモコのルイクワン

刺繍の達人=ミェン族。ズボン一面に施された刺繍は、細かさと、種類の多様さと、その量の多さに圧倒されます。漢字を使って文化を伝えていく男性に対し、女性は刺繍で民族に伝わる文化を伝えていきます。この刺繍は裏から刺すため、裏側もきれいな仕上がり。刺繍は基本の5パターンがあり、5‐6歳で習い始める基礎となります(10歳になるまでに自分のズボンを作れるようにならなければいけません)。その後それぞれが独自の刺繍を編み出し、各家庭に代々伝わる刺繍のパターンは100種類以上。柄には「星」「虎の足跡」「悪魔の心臓」「折れた樹」「猫」といった名前が付いていて、意味を持っています。そのモチーフの組み合わせで、家族の幸せを願う祈りや物語を紡いでいくとされています。刺繍は文字の代わりに娘へと伝えられる言葉の宝庫です。

上着についているモコモコの襟は、ルイクワンと呼ばれるもの。ウールの毛糸で作られています。子どもの帽子のてっぺんにも、ドーナツ型や大きな丸いポンポンが付いています。頭にはターバンをぐるぐると巻き付け、刺繍の布や銀糸のついた布で飾ります。ターバンの下から髪の毛が見えているとだらしないと考えられ、はみ出している毛を抜いてしまうこともあるそうです。

儀礼を重んじ、漢字を使うミェンの人たち

東南アジアの多くの山岳少数民族は文字を持たず、書物などもありません。他民族に圧迫されたり、焼畑をしたりと、移動しながら暮らしてきているため、できるだけ身軽であることが必要だったためもあるでしょう。 その中で、経典や儀礼の文書を持つのがミェン族です。漢民族と共生する道を選び、もともと「苗族(ミャオ)」が持つ精霊信仰と、漢民族の道教を結び付けて独自の「*ヤオ道教」を創りました。姓名、家系図のようなもの、祖先のお墓を記した祖図、経典、儀礼文書は漢字で書かれていました。道教の神様が描かれた「大堂画」は儀式の際に本尊として祀られます。

移動が多かった時代、村には他民族の「門」のような共有のものはほとんど無く、寄り合い所帯的な集まりでした。共同体的な意識が薄い代わり、親族の結び付きが強く、祖先−子孫関係とその中の親子関係を繰り返し儀礼によって確認する仕組みとなっていました。ケシやミカン、薬用植物などの栽培で現金収入が多かった時代は、他民族から養子をとることもしばしばありました。「民族の血」という言い方はなく、あくまでも儀礼によってつながっている集まりです。それは、争いごとを好まず、何事も礼儀正しい協議や由緒正しさを重んじる民族の性格にも表れています。
*ミェン族は広く「ヤオ族」とも呼ばれていますが、自らは「人」という意味の「ミェン」を使っているため、クラフトエイドでも「ミェン族」と呼んでいます

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