カレン族について

自然や目に見えないものと「調和」することを大切にする『森の民』、カレン族。自然を敬い、霊を畏れ、正直で誠実であることを美徳とする価値観を持ちます。ローテーションを守った焼畑農法や水田耕作などの、自然と共生する農法、そして山を守り定住的な生活をしてきたカレン族の生き方は、水と大地の守護霊を敬う儀礼にも表れています。財産は銀の装飾品などに充てるのではなく、ゾウを所有することが資産家の証とされていました。山岳民族で唯一ゾウを調教する民族です。また、カレン族は他の山岳民族と異なり、ミャンマー東部が起源と考えられ、古くからこの地に住んでいました。タイでも山岳民族の半数を占める大きな集団ですが、タイとミャンマーの国境地域に多くが住んでいるため、タイ、ミャンマー、宗主国だったイギリスに政治的に翻弄され、多くのカレン族が難民となりました。

手仕事と民族衣装

「織りの達人」であり、「ジュズ玉の刺繍」が個性的なカレン族の手仕事。既婚女性と未婚女性で衣装がはっきりと異なっていることも特徴です。未婚の若い女性は白い貫頭衣のドレスを着ます。胸の切り替えしに赤やピンクの模様やタッセルが付き、初々しさがあってとてもかわいいものです。カレン族の衣装は、(特に男性向けは)色使いもシンプルなシャツなので、今でも街中でジーンズや綿のパンツと合わせて普段から着られています。30代で未婚のカレン族のスタッフは、「もう白いドレスはちょっと…」と既婚女性用の装いをしていました。時代に合わせて変化させながらも、普段から民族のものを着こなしているのは、カレン族ならではのことです。

カレン族の衣装は比較的シンプルな装いです。ジュズ玉をブラウスに縫い付け、アクセサリーはビーズのネックレスや細い銀の腕輪をたくさん重ねるもの。他の民族のような重たい銀のネックレスや飾りは着けません。これは、銀を財産と考えていないことから来るようです。男性は、女性と同じかたちのシャツ(シンプルな織のもの)にズボンの装いです。特徴は入れ墨をしていること。背中や腕、膝にかけて魔除けのための模様が入っています。動物柄も好まれ、これが男らしさの象徴となっています。

プロポーズは女性から

カレン族の家は女性のものです。親の財産を受け継いで家を守るのは女性の役目。カレンの社会では、村を統治するのは男性の村長ですが、女性も強い交渉力を持っています。普段は慎ましく、お付き合いは男性から誘いますが、プロポーズは女性からという決まりがあります。結婚すると男性が女性の家に入ることになるため、女の子は結婚適齢期になると豚を飼い始め、大きく育てて結婚資金にしていたとか。 家長である女性が亡くなると、その家は壊され、飼っていた家畜も処分されます。男性が亡くなってもこのようなことはありません。

主婦が二人いると「精霊」が衝突を起こすと考えられているため、姑との同居、離婚、再婚はなかなか難しく、基本的には核家族です。守護霊のような、目に見えないものとの調和を大切にしている現れでしょうか。 「家」にまつわる決まりは、まだあります。年頃の娘がいる家庭では、思春期以降の男の子は、兄弟であっても家で寝ることができず、友達の家のベランダで(!)寝るはめになるとか…。客人も基本的にはベランダで寝る決まりがあるようなので、カレンの村を訪ねる時には覚悟しておいた方が良さそうです。

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